スポット溶接機

スポット溶接機について

様々な溶接手法の中で、比較的手軽に使いこなすことができるのがスポット溶接で、自動車のボディー溶接からDIYまで、幅広い用途で使われています。

スポット溶接時に準備するもの

スポット溶接機で溶接を行う場合、準備するものは下記の4点です。
ただし手袋と保護メガネについては、使用する機器の種類に応じて必要となります。

・スポット溶接機
・溶接する金属
・手袋
・保護メガネ(小さな部材の溶接など、溶接箇所が顔と近くなる場合に必要)

スポット溶接では、アークの強い光(紫外線)が出ないため、目や肌を保護する必要がありません。
また、アーク溶接などでは、その他に遮光マスク、安全帽、作業服、エプロン等の防護服などが必要となりますが、スポット溶接機ではこちらも必要ありません。
粉塵も出ないためマスクも不要、さらに溶接材料も必要ありません。

スポット溶接に資格は必要?

スポット溶接機の作業を行う際に、必要な講習や資格はありません。

ただ、ガス溶接作業を行う際には「ガス溶接技能講習」を修了している必要があり、アーク溶接作業を行う場合には「アーク溶接等特別教育」を修了していることが必須です。

これは労働安全衛生法で定められており、違反した場合は作業者だけでなく事業者も罰せられます。また溶接の業界には、技能レベルを証明する「溶接技能者資格」もありますが、この資格にもスポット溶接機を対象としたものは存在しません。

スポット溶接に資格が求められていないということから、危険性の低さが表れています。

スポット溶接の条件設定

他の溶接と比べて準備するものや資格が必要ないスポット溶接機ですが、溶接を行う際にはしっかりと条件を設定する必要があります。スポット溶接において最も重要で最も難しいのがこの条件設定といえます。

前述の通り、スポット溶接機の品質を決めるのは加圧力・電流・通電時間です。この条件を決める上で必要となるのは、まず電極を選ぶことです。

①電極を選ぶ
電極の材質と形状が溶接の品質に影響を与えるため、最適な電極を選ぶ必要があります。電極の役割と望ましい性質は次のとおりです。

電極の形状にも様々なものがあります。溶接時に電極まで溶けてしまうことを避けるには、融点が高い電極を使う方法の他に、電極の先端が太い形状のものに変える方法もあります。先端が太いと熱が効率よく放出されるため、尖った先端のものよりも溶けにくくなります。

また電極の材料を変えると、下図のように導電率も大きく変わってきます。例えば銅-タングステンは、純銅に比べると大幅に導電率が下がりますが耐熱性に優れるため、電極が溶けてしまう可能性が低くなります。

このように様々な種類がある電極から、自分が行いたい溶接の内容(材料、形状など)に合わせて最適な種類と形状を選びます。

②条件を決める
電極を選んだら、加圧力・電流・通電時間を決めていきます。まずは下図のような条件表に基づいて試しの条件を決めて、試しの溶接を行います。その強度を確認した上で電流や時間などを微調整する、ということを繰り返したうえで最適な条件を見つけ出します。

スポット溶接機を使う
適正な溶接条件が見つかれば、その値を溶接機に条件を入力し溶接を行います。条件設定さえできれば、溶接自体は難しくありません。

スポット溶接機とは?その構成や特徴について

スポット溶接の原理
溶接には大きく「融接」・「圧接」・「ろう接」の3つの方法があります。接合時に圧力を加える方法が「圧接」で、その中の電気抵抗を利用して溶接を行う「抵抗溶接」のひとつが「スポット溶接」です。

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